『虫まる』ヤシの陶器市に行く!

そのB 【陶器祭】(2005年7月1〜3日)

2005年7月1日〜3日に、ヤシのコポウ(植物園のすぐ近く)にあるミハイエミネスク公園にて、今年も恒例の陶器市が開催されました。その名も「ククテニ5000」。ククテニというのは、紀元前5000年頃からこの辺りに存在したという文明の名前で、土器も多数出土しています。写真のような、素焼きに白とこげ茶でグルグル〜、という独特な模様です。(文化宮殿の歴史館ではオリジナルを見られます。大きさはもっと大きな甕ですが、全く一緒。3000年前から同じ姿で、在り得ないくらい、ホント全く…はっ、お土産?!)。毎年7月の第1週目の金土日に開催されます。陶器の他、お土産屋さんと食べ物の屋台も並ぶので大勢の人が集まり大賑わいです。色んな人が来ます!リュックは必ず前に背負って下さい!


【ポスター】

【ククテニレプリカ】

・さて、ルーマニアでは粘土が取れるので日本と同じように地方の焼物があります。有名なのはコロンド焼とホレズ焼です。私はこの日、リュックに新聞紙を詰め、張り切って出かけました。それでは陶器祭の様子をご紹介致します。


【テント】

【店員さん】

【お店】

・これが現在のコロンドです。青いものと、緑・茶のものが一般的です。コロンドの町はヤシから見て南東のそう遠くないカルパチア山脈の向こう側にあり、モルドバ地方とトランシルバニア地方の境目にあります。町の名前はCORUNDですが、コロンド焼はKORONDと書きます。KやYなど一部のアルファベットは元々ルーマニアには存在しません。ですから外来のものです。ハンガリー系だと思っていましたが、ドイツで見た伝統的な陶器もこのような色合いでしたので、色々な国の文化が融合し、現在は鳥や花模様に落ち着きました。けれど革命以前の頃のコロンドはただ一色茶色のみ。写真は頂き物で20年前のコロンドです。年配の方は、今のタイプも「本物ではない」とおっしゃいます。こちらも壁掛け用ですが、形が徐々に平たくなったようです。地域がらお店の方は、ハンガリー語とルーマニア語両方使える方もいらっしゃいます。


【コロンド焼@】

【コロンド焼A】

【アンティークコロンド】

・ホレズの町はルーマニアの南西部バルチャ県にあります。ホレズ焼の特徴はフランス料理のソースのように、塗料を後から引っかいて独特の模様を付けるのです。その他には鶏・蛇・魚をモチーフとした図柄等があります。表面が玉虫色に光っている作品のお店が増えていて気になりました。お土産用に小さな物を沢山買ってきました。大きさは卵と比べてみてください。1個35円程度です。


【ホレズ焼@】

【ホレズ焼A】

【ホレズ焼B】

・今回のお目当てはコレ!ルーマニア北東部のマラムレシュ地方の陶器です!ヤシにはなかなか入ってきません。新鮮です!遠くから持って来ているだけあって、お値段も高め。中でも濃紺のものは、形もラーメン鉢のようで素敵ですね。食文化の違いは陶器の形に現れます。私もルーマニアで、ドンブリやご飯用のお茶碗に似たものを探すのに苦労しました。マラムレシュ地方の陶器は他の地方と比べて実用的で、分厚く丈夫です。写真は私が購入したものは、ずっしりと重く安定しています。


【マラムレシュ@】

【マラムレシュA】

【get!】

・陶器祭で一番の売れ筋はコレです。ぬか漬に良さそうなこの壺、実はルーマニアの祭日などに作られる伝統的な料理サルマーレ(ロールキャベツに似たもの)専用の壺なのです。この中にサルマーレを沢山作って入れておけば、後日暖めなおすのもオーブンで簡単に済むという訳です。


【壺】


・もしかしてあるかも?と、探していたルーマニアのシャコちゃん?(亀ヶ岡遺跡出土、遮光器土偶)こと、「ハマンジアの考える人」に出会うことができました。オリジナルはブロンズですが、小さい方のサイズは一緒。陶器でも大きくて重い…。これは紀元前5000年前頃、トルチャ県を中心にハマンジアという文明が栄えており、1956年にチェルナボダ(コンスタンツァ県)から出土した女男の像です。考える人ではなく、片膝をついてお尻の大きい女性の方が欲しかったのですが、日本に持って帰ることを考えると諦めてしまいました。う〜ん、残念。


【買わなかった大本命】

・自己嫌悪…、安くなった最終日の店じまい間際にも購入。陶器なんかは特に、お店の方も持って帰りたくないので値段が下がります。「1個100円の陶器を千円かけて送る気か?」と聞かれましたが、良いのです。今回は邪道なものばかり買ってしまいました。なぜなら王道の陶器はすでに昨年買いまくってしまったから。これらはルーマニア人と買い物に行くと絶対買わせて貰えないようなものばかり。得に赤のコロンドなんて、自分でもやめとけと思いましたが、それでも9枚青だったら1枚くらい赤が欲しいのです。(最終日に赤はほとんど残ってなかった!)ルーマニアの陶器は強度が弱くてすぐに割れてしまいます。熱い食べ物を入れると、キュルキュルシューと音がします。焼く時の温度が低いのでしょう。弱い弱いと言われているのに変わらない。レストランで欠けたお皿が出てきても怒らないでください。逆に「何がダメなの?」と聞かれます。文化が違うのです。


【今回買ったもの大集合】

・おまけ
グルグル模様の小皿は、お漬物用にと思って購入。これも一応ホレズ焼で、引っかき模様を付ける前です。左のニス無し素焼き仕上げのものはアクセサリー入れに。この4枚を買ったとき、お店のオバちゃんが何か1つ入れてくれたんです。それが一番左のお皿。「あそこのドムヌレ(ミスター)からお嬢さんにプレゼントですって。」と頂いたのものなのです!感激!そのおじさんは売り場に座っていた作家さんで、おそらく日本人だったと思います。「いくらですか?」とか「これどう?」という簡単な会話をしました。今思えば、私はルーマニア語、おじさんは英語で話していました。おかしな会話ですが、ルーマニアではほとんどの方が英語できますから、いくらルーマニア語で話しても、英語で答えるのです。それでも会話は続くので、慣れてしまって気付きませんでした。日本からルーマニアに陶芸作家さんが来られているのかもしれません。何回見ても、このお店のホレズが一番の美しさでした。


【おまけ】

・他のお店でも買いました。これはルーマニアのサプンツァというところの名物、「愉快なお墓」の墓標レプリカです。マラムレシュ地方は木製品加工業が盛んで有名ですが、1935年にイオン・スタン氏が木製の墓標に亡くなった方の生前の行いを描いて弔ったことから、この地で大ブレイク!写真の絵はよくある図で、生前酒飲みだった方のもの。メッセージは、「沢山のおいしいプル−ン・パリンカ(トランシルバニア地方名産、アルコール度60%前後の果実酒、蒸留1回がツイカ、パリンカは2,3回蒸留したもの)を、あなたのいる大地に奉げる」。泣ける〜。900円を750円に値切り、おっちゃんも渋い顔で何やら一緒にパンフを入れてくれた。帰り道に見てみると…、あれ?この半笑いな顔はどこかで…、おっちゃーん!作家さんだったの?えっ、ゲオルゲ・スタンってまさか!ダッシュで引き返しパチリ。ヤシまでの距離を、まさか作家さん自ら売りに来るとは。それにお店には3つしか置いてなかったのに、儲けあるんかな〜?他にもトルコのお土産(水タバコパイプ・魔よけキーホルダー)や、オルテニア地方の男性の民族衣装の帽子、イースターエッグを買って帰りました。


【墓標】

【パンフ】

【おっちゃん】